日本の天才ラッパーの曲を紹介する

日本語ラップを管理人の趣味で紹介します

【Apple CM song】ゴスペルラップとしての完成度【Ryohu – The Moment】

今回紹介するのはこの曲。

Ryohu – The Moment

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この曲、AppleのCMソングとして起用されていたことで、注目度が一気に上がったと思う。

RyohuはKANDYTOWNのメンバーであり、客演でかましていたことが記憶にあった。

ここ数年でソロ活動も本格的に始め、様々なアーティストとコラボするなどHIPHOPにとどまらないスタイルだ。

 

そんな中、発表されたこの『The Moment』。

管理人が初めて聞いたのは、AppleのCMからだった。

最初に聞いた時の衝撃はすごい。ゴスペル感のある曲調から、日本語ラップであることに気づかなかった。

気になって調べてみると、Ryohuの曲だということがわかる。

 

まずはIntroを聞いてほしい。

きれいなコーラスと、レコード音源を彷彿とさせる始まり方。

ゴスペルラップといえば、カニエ・ウェストを思い出す人も多いと思う。管理人もカニエや2pacを思い出す。

そんな時代を感じさせてくれるこのIntroは、現代にリリースされるゴスペルラップとしては最高である。

 

そして、Hookは

 

掴めよOnly You

束の間の夢INeed You

今に生きる Me & You

楽しめ今にあるSo Good

 

とこれだけなのだが、ゴスペルのコーラスの良さを引き立てる長さとフロウ。

HIPHOPは単調な繰り返しの音楽だといわれるが、そのために必要な余白をコーラスで楽しむという、HIPHOPソングとして素晴らしいHookだ。

 

消えてく今しかない今だけをこの手にし

集めて描くのさこの音の上に 探しても見つからないなら目に 写るもの全てがその答えになりゃいい

去も未来もないぜ現実みたいな想像 恐れてたら出れないぜ

迷路 In da city

昔のPainも今になれば名誉だぜ

SAMOやPicassoみたく今に生きる ほらLights up 時には行き止まり 引き返すより壁は壊せばいい Wait a minute Wait a minute もう止まらない 明日は誰も知らない

 

verse1では、バリバリのラップをかます

ゴスペルスタートだったこの曲が、これでHIPHOPであるということがわかる。

着実なスキルで蹴るバースに、聞き心地の良さが残る。

 

用ねえ最低だろBADなニュース 煮えたぎる血で色づく感情はブルー 守れ最高なルール破れ最低なルール 自分じゃ無理それじゃ無理さ出れないループ ありのままでいい 何もかもがいい 何がいいかも分からず進めばいい オレはオレなりに見つけてきた日々 誰に何言われても止まらねえぜ Say What

Take it slow the day move forward We don't wanna fall back woo why not seize your world

余計な考えはねえ あればすぐに捨てる 海に沈む夕日見れば忘れてる 夢を描くLIFE人生は短め もはや今を楽しむぜ今だけ

 

verse2では、日本語を多く使った日本語ラップらしいバースだ。近年の流行として英語を多用するバースがあるが、せっかくの美しい日本語を上手くラップしてくれると、日本人としてもうれしい限りだ。

 

そして、シンガーソングライターであるAAAMYYYの美しい歌声で、一気にゴスペル感が盛り上がる。

 

このあとからは、AppleのCM部で使用されていた。

Hookにつながる前に、畳みかける日本語のラップ。

そして、ゴスペル満載のHookにつながるという曲の構成としてとても完璧だと感じる。

 

過去や未来でなく 生きる今に 掴め今 時をかけぬけてゆく 夢をのせる今にそれがBeautiful Soul

Hookの最後には、曲のテーマに見合う、希望が湧いてくるような終わり方で締める。

 

これが、日本が誇るKANDYTOWNのRyohuである。

AppleのCMソングに起用されるだけあって、HIPHOPを聞かない人でも聞きやすい音楽になっている。

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後述みたいなやつ

 

日本人でHIPHOPに特に興味がないという人間は多い。そんな中で、どれだけ興味ない人が聞けるHIPHOPを作れるかというのが日本語ラップの課題だと管理人個人は思っている。

日本語ラップだから、リリックにもぜひ注目してほしいところではあるが、実際に歌詞を注意深く聞いている人間というのは少ないだろう。

だからこそ、HIPHOPは「めっちゃ楽しい、この曲いい曲だな」みたいな音楽的な面から入って、「よく聞くとこのリリックめっちゃいいな」みたいになっていくのが理想だと思っている。(どうせなら最後は「こんな韻を踏んでるのか」とか、「これはあれのサンプリングか」みたいなところまで行ってほしい)

 

前回紹介したLEXのHappyや、この曲などは一般人でもとっつきやすいだろう。